村山早紀 『コンビニたそがれ堂 奇跡の招待状』 勇気を出して踏み出した一歩でみんなが笑顔に、幸せになりますように
今回は、村山早紀さんの『コンビニたそがれ堂 奇跡の招待状』を読んだので感想を書いていきます。
読もうと思ったきっかけ
村山早紀さんの作品は、今までも何冊か読んだことがあります。
村山早紀さんの作品を読むときは、気持ちがモヤモヤしていたり、癒されたいときに読んでます。
この『コンビニたそがれ堂』はシリーズもので今は8作まであります。
ですが連作短編集なので、順番通りに読まなくては話がわからなくなるってことはないので面白そうだなぁと思った作品から読んでも大丈夫です。
大事な探し物がある人は必ずそのコンビニで見つけられる不思議なコンビニ。
『たそがれ堂』
今回の物語は4編あって全ての物語で出会いと別れ、そして再会があります。
感想
私が好きな物語は2つあります。
1つは
『雪うさぎの旅』です。
さゆきちゃんという女の子がいて、さゆきちゃんは、冬休みが終わる時には新しいお母さんとさゆきちゃんのお父さんとさゆきちゃんと3人で暮らすことが決まっていました。
さゆきちゃんは、新しい家が住めるようになるまで祖母、祖父の家に預かってもらい、さゆきちゃんは、雪だるまなどを作って遊んでいました。
新しい家に住んで少し経った頃、おつかいとしてレモンを買いに出かけましたが、道に迷ってしまいました。そんなときにあの不思議なコンビニが現れ…。
一緒に遊んだ雪だるまや雪うさぎに届く手紙を出せるところも素敵だし、雪だるまや雪うさぎの友情も素敵で大切なことを思い出せたような気がしました。
童話のような優しさ溢れる物語でとても良かったです。
2つ目に好きな物語は「魔法の振り子」です。
小説家の薫子は本や物語を書くこと、文章を書くことが大好きなので、それができるだけで十分幸せでしたが、一言で言えばマイナー作家でした。この日は「クリスマスの思い出」というエッセイ集を書くお仕事でした。
そこで思い出したのは10年前の薫くんとの思い出でした。
薫くんは自由人でいつも楽しそうでした。アルバイトで貯めたお金でいつもフラっとどこかの国行って戻ってきては楽しい話を聞かせてくれるのでした。
ある日、一冊の湖の写真集をみてこの湖は本当に綺麗だったよという話をしてくれました。銀の指輪がたくさんあるようなホントに綺麗な湖だったと。
そして12月にその写真集を押し付けるようにまたどこかの国に行ってしまいました。
クリスマスには食事行こうと言って。
すごく悲しいし、少し怖いけど、10年越しに約束、素敵な贈り物が届いて良かったなぁと思いました。
他の物語も良かったです。
いじめや従妹の死で引きこもりになっていた少女がゲームをヒントに少しずつ立ち直っていく物語。
ねここも最初はすごく怖かったけど、「たそがれ堂」のおかげで救われるのですごく良かったです。
最後には優しい気持ち、温かいような気持ちになれるので、癒されたい人におすすめです。
彼女たちが前を向いて歩いていくきっかけになるものが必要になるときに「コンビニたそがれ堂」が現れるのかもしれません。