鉱物は心を救う! 水晶庭園の少年たち 蒼月海里
今回は、蒼月海里さんの「水晶庭園の少年たち」を読んだので感想を書いていきます。
感想
祖父と愛犬を亡くして、喪失感に襲われていた、主人公・樹。
一緒に居ることが当たり前のように思っていた人や動物がいなくなってしまうと自分が思っていたよりショックを受けるものだと思います。
この物語で、その喪失感を救うものとなったのが、鉱物です。
樹の祖父は、鉱物が好きで鉱物を集めることが好きな魅力たっぷりです。
そんな祖父のことをよく知っていて、祖父の鉱物が沢山ある蔵によくいる、不思議な男の子・雫。
また、雫も祖父に負けないぐらい鉱物に詳しい。
樹は、雫に鉱物のことを教わりながら、鉱物の知識を深めてく。
そんな中、鉱物の中に愛犬と同じ「メノウ」という鉱物を見つけ、形は違うけど、お守りとして持っていることによって、心の拠り所として、
そして、雫の言葉がすごく素敵だなと感じました。
見えないけど、そばにいるんだよ。形を変えて
その理由を聞いて少し救われた樹は、強く逞しくなっていく。
樹の周りで困っている人がいれば鉱物を絡ませて少しだけ背中を押してあげられるように。
それにしても雫とは何者なのか、なぜ蔵の中にいくと必ずいるのか?
その秘密を知った時に優しく、守ってあげたくなる物語。
鉱物が好きな人、興味がある人は読んでほしいです。
必ず訪れる別れがあってその喪失感を、悲しみとともに生きていないといけないものです。
悲しみを乗り越えるととも言いますが、無理に忘れないといけないものではない。
逆に忘れるものではなく、楽しい思い出などを思い出して家族で思い出話をしたり。
逆に思い出して泣いてしまったりすることもあると思うけど、良いと思います。
一番悲しいのは思い出してもらえないことだと思うから。